みなさん、『反出生主義』って知っていますか?
これは人間が新たな生命を生み出すことに対して否定的な立場を取る哲学的な考え方です。
つまり、生きることが苦しいから新たに生まれてくる子供もその苦しみを背負うことになるから、子供を産まないほうが良いという考え方です。
このような賛否両論がありそうな考え方について、詳しく書かれているのが森岡正博さんの「生まれてこないほうが良かったのか?」という本です。
今回はこの本を読んで、その内容ついて考察してみることにしました。
新たな雑草を目指してLets Go!
気になった内容
「我々は、我々に対してまったく無関心である巨大な宇宙の中の、取るに足らない染みにすぎない」
この文章は、作者が紹介したデイヴィッド・ベネターの一文から引用されたものです。
宇宙の視点から見た人間とはどのような存在なのかについての考え方が示されています。
人類の偉大な達成、例えば建造物や知識、アートなどは、いずれ消失してしまう運命にあると指摘されています。
残るものがあったとしても、それは地球が消滅するまでの短い間に過ぎません。
この言葉は、宇宙的な意味の次元においては人間の存在に何の意味もないという考えを伝えています。
この文から、狭い観点で「生まれた目的」を追求しようとすることが苦しい結果をもたらすことを示唆し、広い宇宙の視野で見ればそのような追求に意味がないことに気付くことができると述べられています。
この言葉から、人生の意味を考えるのは、宇宙視点から見れば無意味であることがわかります。
宇宙は全てを呑み込む
「だんだんと滅びゆき、 最終的に人類がまったくいなくなった地球こそが、言うまでもなくおそらく最も美しいでしょう」
この文章は、作者が紹介したトーマス・ベルンハルトの小説「行く」の一文から引用されたものです。
人類の存在しない地球において、野生動物や魚類、植物だけが存在する地球の美しさを感じる視点は、多くの人々に共感を呼ぶ考え方だと述べています。
この視点から、過激な自然保護の主張の中に、地球上の人口を減らして自然を保護するというアプローチが存在することを示しています。
このアプローチは、意外にも反出生主義と近い位置にあるかもしれないと作者は伝えています。
人類がいなくなった中の雑草……
読んで得られたこと
「生まれてこないほうが良かったのか?」と考えて悩むことの無益さ
この本では、「生まれてこないほうが良かったのか?」という疑問を、複数の哲学的な視点から理解しようとする試みが行われています。
私自身この本を読んで、「生まれてこないほうが良かったのか?」と悩むよりも、今ある人生を楽しんで生きることが有益であると再認識しました。
オススメ度
この本のおすすめ度は…星2つです。
★★☆☆☆
この本を読んで、「生まれてこないほうが良かったのか?」という答えを求める人にはあまりおすすめできない本です。
また、複数の哲学の考え方が羅列されており、読みづらいことから、星2つの評価にしました。
結論
哲学、特に生命哲学に興味がある方には、この本をとてもオススメします。
私自身はあまり読んで得るものがなかったため、おすすめ度は低くなっています。
もし、このブログを見てこの本を読んでみたいと思っていただけたら、私も嬉しいです。
悩んでる時間がもったいない、シンプルに考えろ