『失敗学のすすめ』の要約と感想

失敗学のすすめのタイトルと失敗した男 書籍レビュー

みなさん、『失敗』って嫌ですよね。

私自身も昔の失敗を思い出して悶えることがよくあり、失敗したくないなぁとよく思います。

失敗を頭の中からボタン1つで消せたら楽なのにと思いますが、現実にはそんなものはありません。

しかし、失敗に対する考え方を学ぶのに役立つ本として、今回は畑村洋太郎さんが書いた「失敗学のすすめ」という本を読んで考察してみることにしました。

考える雑草
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失敗学のすすめの書籍

『失敗学のすすめ』の要約

失敗学とは

「失敗学」とは、失敗の経験を積極的に受け入れ、そこから学びを得るアプローチを指します。

失敗にはネガティブなイメージが付きものですが、その恐れずに向き合い、失敗から得られる教訓をポジティブな側面に転換し、新たな創造的なアイデアや方向性に活かすべきだという主題が本書では示唆されています。

良い失敗と悪い失敗

この本では、「失敗」とは「人が意図した目標を達成できない行動」と定義されています。

そして、この定義に基づいて、「良い失敗」「悪い失敗」という2つのカテゴリーに分類されています。

ここで言う「良い失敗」とは、失敗から学びを得て新たな知識を発見し、成長の機会に繋げることができるものを指します。

「良い失敗」の中には個人が未知の状況に直面する場合も含まれます。
個人が未知の状況に立ち向かう際には、無知やミスが要因となることもあるかもしれません。
しかし、それは成長過程において避けられないものと位置づけられ、「良い失敗」とみなされます。

一方で、「悪い失敗」とは、学びが得られず、単に不注意や誤った判断によって繰り返される失敗を指します。

失敗情報の性質

失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する

人間は一度経験した失敗も、時間が経つにつれて忘れてしまいます

そのため、再び同じ失敗を繰り返してしまうことがあります。

言い換えると、喉を過ぎれば熱さを忘れてしまうのです。

失敗情報は隠れたがる

人間は失敗を隠したいという心理を抱えています

その結果として、企業の不正行為といった問題が依然として存在しているのです。

失敗情報は単純化したがる

失敗に関する情報が伝達される過程で、情報が簡潔になりすぎてしまうことがあります。

それによって、事実とは誤った失敗情報になることがあります。

失敗原因は変わりたがる

失敗情報に触れた人々が、それぞれの立場によって都合の良いように情報を受け取ることがあります。

それによって、誤った失敗情報が伝達されることがあります。

失敗は神話化しやすい

失敗を悲劇的な物語として捉えられることがあります。

それによって、その失敗の本質が見えにくくなることがあります。

失敗情報はローカル化しやすい

失敗情報を組織全体で共有せずに特定の場所に留める「ローカル化」が行われることがあります。

「ローカル化」は、問題発覚のタイムラグを引き起こします。

それによって、すぐに問題を解決すれば小さな問題だったのが、時間が経つことで大きな問題になって明らかになることがあります。

客観的失敗情報は役に立たない

客観的な失敗情報は、情報を効果的に活用することを難しくすることがあります。

そのため、主観的な情報の方が身近に感じられ、学びやすいことがあります。

失敗から学ぶ土壌を作るには

この本では、日本人は失敗を避ける傾向があると指摘しています。

そのため、日本企業では失敗をすると社員の評価が低くなるという減点主義の考え方が多く見られます。

このような環境では、社員が積極的に挑戦したり失敗を報告したりすることに対するメリットが薄いと感じます。

それによって、失敗に関する情報が十分に共有されない可能性があり、失敗を隠そうとする傾向が強くなります

このような土壌では、「失敗学」の重要性を説いて回っても、浸透するのはなかなか難しいです。

「失敗学」を活用するためには、いくつかの取り組みが必要です。

具体的には、失敗してもその経験を生かして改善につなげた場合には評価されるような組織文化を醸成する必要があります。

また、評価や報酬制度も見直すことが重要です。

これによって、失敗からの学びが尊重され、積極的な挑戦や失敗の報告が奨励される環境が整えることができます。

気になった内容

「小さな失敗を不用意に避けることは、将来起こりうる大きな失敗の準備をすること」

作者は、失敗を通じて学ぶことで真の知識を得ることができると述べています。

具体的な例として、子供のナイフ使用について取り上げています。

ナイフは危険だから子供に使わせないことで、ナイフで子供が傷つかないという「安全」を手に入れることができます。

しかし、ナイフがどれほどの危険なのかを実際に利用していないと、本質を理解できないという問題があると作者は指摘しています。

小さな失敗を恐れて何もしないことで、将来の大きな失敗に繋がる可能性があります。

そのため、小さな失敗を繰り返すことの重要性を強調しています。

考える雑草
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失敗は成功の源

「仮想失敗体験」

仮想失敗体験とは、本の中で作者が紹介した他人がした失敗を自らの意思で行動したと仮定し、その時起こる失敗を頭の中で経験することです。

この仮想失敗体験は、実際に無意識で多くの人が行っていることです。

もし、隣の人がつまずいて怪我をした時に、自分自身も痛いと感じるのは仮想失敗体験と言います。

この仮想失敗体験を意識的に利用することで、自分とは異なる失敗を経験することができ、自分にはない知識や経験を得ることができます。

自分の失敗だけでなく、他人の失敗からも成長することができるのは有益だと言えます。

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雑草の失敗体験…

「失敗は当たり前」

作者は、どんなに失敗への対策を取っても、必ず失敗は起こると述べています。

失敗は当事者にとって恥ずかしく、起こしたくないことだと思うかもしれません。

しかし、失敗によって大きな成功へと結びつく可能性や、失敗から新たな知識の獲得という成長の機会にもなります。

そのため、失敗することは当たり前と考え、そこから学んでいくことが重要であると伝えています。

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完璧などあり得ない

読んで得られたこと

「小さな失敗を恐れるな」

「失敗学のすすめ」では、誰だって失敗するのは当たり前なのだから、自分の失敗に恐れる必要はないと述べています。

小さな失敗を恐れることは、成長の鍵を手放すことを意味すると指摘しています。

そのため、小さな失敗を恐れず、それをチャンスと捉え、成長していくことが重要であることをこの本を通じて学ぶことができました。

「失敗から学ぶ」

失敗学のすすめ」では、失敗から学び成長することが重要であると述べています。

失敗から学ぶことは、自己成長と向上のための大切なステップであり、創造性と革新を促進するための源になると指摘しています。

そのため、失敗から学ぶことによって、自己の成長や改善を実現していくことができると、この本を通じて学ぶことができました。

オススメ度

この本のおすすめ度は…星3つです。

★★★☆☆

この本は、失敗に対する考え方を深く理解できる本となっています。

しかし、生活に活かせる実践方法が少ない点主張に対する説得力が弱く、あまり心に響かなかったため、星3つの評価にさせていただきました。

結論

失敗を恐れて何も行動できないと悩んでいる方には、ぜひ一度この本を読んでみると良いかもしれません。

私も、この本の失敗に対する考え方を活かして、失敗を受け入れるようにしています

もし、このブログを見てこの本に興味を持っていただけたら幸いです。

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失敗しても大丈夫。雑草のように、何度もよみがえれば良い

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