みなさん、『全体主義』って知っていますか?
全体主義とは、政府や統治者が国民のあらゆる側面を包括的にコントロールしようする政治体制のことを指します。
つまり、個人の自由や権利が制限され、政府が政治、経済、社会、文化などの領域に干渉し、国家の意志やイデオロギーに忠実な市民を形成しようとすることです。
今の自由な暮らしを謳歌している私には受け入れることができない恐ろしい社会ですね。
そのような過酷な社会を描いた小説『1984年』という作品を読んで、その内容ついて考察してみることにしました。
新たな雑草を目指してLets Go!
「1984年」のあらすじ
全体主義国家に対して抵抗感があるひとりの男
物語は、主人公ウィンストン・スミスが住む超大国オセアニアで展開されています。
国家指導者ビッグ・ブラザーの支配下では、思想・言語・性愛を徹底的に統制され、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる監視装置によって監視されています。
反逆的な考えを抱けば、「思考警察」によって逮捕され、抹消されてしまいます。
ウィンストンは党の真理省記録局で働く一市民として、日々、偽りの情報を創り上げる仕事に従事していますが、内心では党に対する疑念と反抗の意志を秘めています。
ジュリアとの出会い
ウィンストンはジュリアという女性と出会い、2人は禁じられた行為として、性愛関係を築くようになります。
彼らは秘密の場所で密会を持ち、思想的な自由を求め、2人は逢瀬を重ねます。
思想改造
ウィンストンとジュリアの日々は突然終わります。
彼らは「思考警察」に逮捕され、酷い拷問を受けることになります。
最終的には思想を曲げられてしまう、絶望的な状況に追い込まれます。
気になった内容
「子供が親を告発する」
子供は純粋でコントロールしやすいため、党によって洗脳されています。
そのため、超大国オセアニアの子供たちは党を崇拝し、それに従わない人間は両親であっても、「思想警察」に告発します。
自分の子供であっても信じることができないこの国の恐ろしさを読んでいて感じました。
誰もがあなたを監視する社会
「二重思考」
「二重思考」は、党による洗脳や思考統制であり、市民が自己矛盾的な思考を抱えることで、自由な思考や真実の追求を阻害し、党の支配を強化する役割を果たしています。
具体例を挙げると、党が「2 + 2 = 5」という偽の数学的主張を強制しても、市民はそれを受け入れることが求められます。
つまり、市民は真実とは明らかな矛盾がある主張がされても、それらを同時に信じることを要求されるのです。
真実も虚構も全てが政府にコントロールされている
「われわれはすべてを絞り出して君を空っぽにする。それからわれわれ自身を空っぽになった君にたっぷり注ぎこむのだ」
主人公のウィンストンが、思想改造の時に伝えられた言葉です。
「党こそがすべて正しく真実であり、ウィンストンこそがすべて間違っている」という考えが強く現れていると思いました。
人間性を作り直す
読んで得られたこと
全体主義の恐ろしさ
この本には、全体主義の社会での暮らしを深く感じられる作品となっています。
政府によって行動や思考までがコントロールされる恐ろしい社会が、作品内で描写されています。
私たちは現在、自由に行動や考えることができるありがたさを、この本を通じて得ることができました。
オススメ度
この本のおすすめ度は…星4つです。
★★★★☆
この本は、作者のジョージ・オーウェルが作り出す世界観に惹き込まれる作品となっています。
ディストピア作品が好きな方に、非常にオススメできる作品となっています。
私自身もこの本を読んで感情を揺さぶられ、素晴らしい作品だと思いました。
そのため、星4つの評価をつけさせていただきました。
結論
この本を読んで、この世界観をどのようにして思いついたのか、作者に聞いてみたいと思うほどの素晴らしい作品でした。
もしこのブログを見て、この本に興味を持っていただけたら幸いです。
戦争は平和なり
自由は隷従なり
無知は力なり